アクアポニックスの知名度はまだ低いものの、徐々に広まりつつあります。
そのきっかけはSDGsへの関心の高まりにあるでしょう。
- 環境問題
水耕栽培は土壌とは切り離して専用施設で行います。また、アクアポニックスでは化学的な農薬・肥料を
使用しないので、土壌及び地下水への汚染は起こりません。 - 水資源の有効利用
魚の飼育及び野菜の栽培に使用する水は水道水を使用していますが、最初にシステム内に供給してからは
魚の飼育水槽と野菜ベットを循環しながら再利用するので、外への排出・入れ替えはしません。
飼育水には日常的には魚のエサ、また野菜の生育状況により水耕用有機肥料を追肥として入れますが、
水質のバランスを保つため過剰に投与しません。このような水なので、何らかの理由で仮に河川へ放出
したとしても、環境に大きな影響を与えるとは考えにくいです。
この取り組みはSDGs17の目標のうち、「6.安全な水とトイレを世界中に」に寄与するでしょう。 - 陸上養殖の新たなかたち
通常の養殖では新鮮な水が恒常的に大量に必要となるので、一般的には海や湖の沿岸で行われています。
しかし、アクアポニックスでは電気・水道があればどこでも行えます。将来的にアクアポニックスによる
養殖規模が大きくなれば、食用魚の供給状況が変わる可能性があります。
これはSDGs17の目標のうち、「14.海の豊かさを守ろう」に間接的に寄与するでしょう。