社会的取組み

アクアポニックスの知名度はまだ低いものの、徐々に広まりつつあります。
そのきっかけはSDGsへの関心の高まりにあるでしょう。

  • 環境問題
     水耕栽培は土壌とは切り離して専用施設で行います。また、アクアポニックスでは化学的な農薬・肥料を
     使用しないので、土壌及び地下水への汚染は起こりません。
  • 水資源の有効利用
     魚の飼育及び野菜の栽培に使用する水は水道水を使用していますが、最初にシステム内に供給してからは
     魚の飼育水槽と野菜ベットを循環しながら再利用するので、外への排出・入れ替えはしません。
     飼育水には日常的には魚のエサ、また野菜の生育状況により水耕用有機肥料を追肥として入れますが、
     水質のバランスを保つため過剰に投与しません。このような水なので、何らかの理由で仮に河川へ放出
     したとしても、環境に大きな影響を与えるとは考えにくいです。
     この取り組みはSDGs17の目標のうち、「6.安全な水とトイレを世界中に」に寄与するでしょう。
  • 陸上養殖の新たなかたち
     通常の養殖では新鮮な水が恒常的に大量に必要となるので、一般的には海や湖の沿岸で行われています。
     しかし、アクアポニックスでは電気・水道があればどこでも行えます。将来的にアクアポニックスによる
     養殖規模が大きくなれば、食用魚の供給状況が変わる可能性があります。
     これはSDGs17の目標のうち、「14.海の豊かさを守ろう」に間接的に寄与するでしょう。

ただ、当方ではアクアポニックスに別の観点から希望を見出しています。
我が国の少子高齢化は国内産業の労働力不足の原因となっています。特に農業や水産業のような第一次産業の業界ではその傾向は顕著です。
問題解決に向けて国は補助金事業などを行っていますが、そもそも人がいない以上、明確な改善はみられていません。このままでは当面はこの状況が続くでしょう。
ところが、アクアポニックスでは農業と水産業を同時に行うことができます。農業と漁業を別々に行う半農半漁とは違い、栽培と養殖が融合しているので、一人が二つの仕事を同時に無理なくこなすことができます。
このような産業の融合が我が国の労働問題の解決の一つの方法になるのではないか、
アクアポニックスの実践がその一つの例になるのではないかと考えています。

 

アクアポニックスが農業・水産業の新しい形として定着すれば、自然と地球環境に良い
影響を与える、そんな未来に微力ながら寄与する事業を目指していきます。