アクアポニックスについて④

アクアポニックスの詳細説明の最後はその歴史と私が出会った経緯について書きたいと思います。

 

そもそも「アクアポニックス」とはアクアカルチャー(水産養殖)とハイドロポニックス(水耕栽培)を組み合わせた造語で、その始まりは浮島の上で植物を育てたというメキシコ原住民の農法「チナンパ」といわれています。
現代農法としては1980年代に主に離島など水資源が不足している地域で研究され、アメリカではバージン諸島から始まって現在では全土でオーガニック野菜の栽培法として定着しているそうです

 

さて、私はアクアポニックスのことを(株)アクポニ 代表の濱田さんから教わりました。
濱田さんのプロフィールを簡単に説明すると、もともと超有名企業に勤めていた濱田さんは仕事先のアメリカでアクアポニックスに出会い、その魅力に取りつかれて脱サラ、アメリカの農場で研修を受け、帰国して起業し、アクアポニックスを広める活動をしながら、神奈川県藤沢市にある農場を運営されています。

 

2019年12月、私は濱田さんが開く講習会に参加しました。
当時の私は地元の農業法人に転職して約5年、もともと独立農家を目指していたものの、実際に就農してみると当初考えていたことは現実的ではないと知り、次の目標も将来の方向性も見出せずにいました。
そんな時に何気なくネットサーフィンしていてヒットしたのが濱田さんの講習会でした。そのアクアポニックスの記事を読んだときは「本当にできるなら楽しそうだな」と正直言ってちょっと懐疑的でした。
しかし、実際に濱田さんに会い、朴訥としながらも楽しそうに話すところを見ているとすっかりアクアポニックスの魅力がうつったのか、元々感情の薄い自分が数年ぶりに「ワクワク」しました。そして二日間の講習会が終わるころには「残りの人生をアクアポニックスに賭けても後悔しない」と腹を括っていました。
翌年4月に自宅隣にハウスを建設、そこに濱田さんの支援を得て栽培施設を設置して試験栽培を始めました。そして約2年の試験を経て実際に「魚に餌をあげると野菜が育つ」ことに確証を得て、先月起業したところです。

 

そのようなわけで農業の規模としてはまだとても小さいのですが、国内でのアクアポニックス農家の事例がほとんどない現状では、まずは事業として実績を積むことが必要な時期であると考えています。
そこで次回からは当農場の施設について紹介していきたいと思います。

 

追伸: 濱田さんの活動について詳細は、下記の(株)アクポニ 様のHPをご確認ください。

 https://aquaponics.co.jp/

2022年02月02日